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迷える蝶 キシタアゲハ

迷蝶ってご存知ですか?
迷惑な蝶ではありませんよ〜。笑

「迷蝶」と言われる共通のポイントは、本来その地域に分布していない蝶が非分布地域で採集されることなんです。
もっと詳しい要件はあるんですが、とにかく今まで日本で採集されたことが一度もなかった蝶が、飛来もしくは台風などの自然的要因などで一時的に飛来したものは「迷蝶」として大変珍しいとされ、コレクターの中では貴重なものされていています。

この、私がもっているキシタアゲハは迷蝶の中でも「土着種」と呼ばれています。通常、台風などで飛ばされて遠路はるばる飛ばされて来た迷蝶の姿は、とても傷んでいるものが多いのが特徴です。そりゃ、何千キロ、何万キロも飛来してくればその体はボロボロにつかれていますよね。こうした「発生迷蝶」と呼ばれる蝶が飛ばされた新天地で子どもを産みおとし、その子達が無事に孵化したものがこの「土着種」とよばれる迷蝶なんです。
なんだか、ものすご〜いロマンを感じませんか???
ちなみに、このキシタアゲハは1997年の沖縄県波照間で見つけられたものです。
その約2年前の1995年11月に波照間島で後藤和夫氏が採取したのが日本での初記録なので、この蝶の子孫と言えます。
迷える蝶。なんとも儚く、そして切ない響きですよね。。故に昆虫ファンの気持ちを鷲掴みし離さないんですよね。

日本の迷蝶については「日本の迷蝶大図鑑」著者:菅原春良・高橋 直 2014 が詳しいです。